安い輸入品に負けない繊維産業の絶対防衛ライン

ごあいさつ

刻々と変化するトレンドに適した「色彩」「風合い」「付加価値」を
いち早く研究開発し、 お客様のファッションビジネスの創造に貢献しています。

私達をとりまく生活環境は、時代の推移、産業構造の変化に伴い、 大きく変貌しています。
日本の繊維製品は相対的に工業的価値が高いと思います。それは、品質の安定性であり、納期やコスト管理のことです。
円高という逆風が吹いていますが、世界に向けてこの価値をもっと発揮していきたいです。
そのような環境の中、当社は創業以来、無借金を続けています。
これからも堅実な経営を続けて、ここ神戸から日本に貢献していきたいと思います。

日本を追随してくる国はしたたかです。
外圧は今後も勢力を増すでしょうが、我々日本の繊維産業としては、外圧以上のものをやるしかない。
開発力、提案力を永久的に追求していくしかないのです。
さらなるグローバル化が進む今日、少ロット・多品種から量産商品に至るまで、
弊社が持つ様々な染色加工技術を活用し、世界に通用する高品質な商品を皆様へ提供できるものと確信しております。
歴史を振り返ってみれば、日本より先行していた欧米のメーカーも、実は、似たような経験をしてきている。
現在、日本企業が韓国や台湾のメーカーに感じる脅威は、数十年前に欧米企業が日本のメーカーに感じていたものと同じです。
日本企業だけが悪条件にさらされているのではないのです。

昔は、安い人件費を元に、日本も、欧米の繊維産業を駆逐してきました。
繊維産業は、ミシン1台から始めれるので、人件費の安い国々を巡ります。
日本の繊維産業は、規模において中国などに対抗することは不可能です。
それだけに蓄積した技術やノウハウを駆使して先進国らしい繊維産業を構築していきたいです。
これまで何度も、産業崩壊の危機に遭遇しながら生き残ってきた。このしぶとさがこの産業の遺伝子でもあります。

80年代半ばには、DCブランドやイタリアン・ブランドなど、有名デザイナーやメーカーが打ち出す「流行」を
消費者が追いかける時代風潮がありました。しかし、ここ数年は、消費者が自分の価値観に応じて衣類を 購入する傾向がみられ、
ブランド品や高級品離れという「価格コンシャス」志向が高まっていると言えます。
そのためアパレルメーカーは、引き続き多品種・小ロット生産とQR(クイック・レスポンス)の対応に迫られています。
現在の売れ筋商品に関して期近・期中対応ができるような体制を作るべきであり、
どう対応していくか、企業の真価が問われているとこです。

昨今は、中国の人件費の高騰、更にベトナム、カンボジアにシフトしています。
コストが安い所へ移動しても、兵站が長くなるだけで、不良品への指導、納期、品質管理の問題があるでしょう。
物作りの国内回帰が始まっている手ごたえが感じられます。
消費者も安いだけの輸入品に飽き、これからは品質のよい日本製品が見直されるでしょう。
製造や納期に対する責任と対応力を養うために、企画と現場が対等に協力し合い、
日本人としての感性を活かし、いい物を作ろうという気持ちで取り組んで行きたいと思います。


                                            代表取締役 堀内 弘